人々の心に響く作品を数多く残した希代の童謡詩人・金子みすゞ26年という短すぎる彼女の生涯を描く。
金子テルは女学校を卒業、実家の書店・金子文英堂を手伝いながら、祖母、兄とともに幸せに暮らしていた。テルには、幼い頃下関に養子に行った弟・正祐がいるが、複雑な事情から従兄弟として行き来するのだった。お話を作ることが好きな彼女は、正祐から詩を書くことを勧められる。「金子みすゞ」といペンネームで書き始めたテルの詩は、瞬く間に雑誌に掲載されるようになり、尊敬する西条八十にもその才能を認められる。だが、兄の結婚を機に下関に出たテルは正祐に思いを寄せられ、運命に翻弄されていく。